63年前の名張毒ぶど う酒事件 10回目の再審請求

63年前の名張毒ぶどう酒事件　10回目の再審請求も最高裁は「認めず」

63年前、女性5人が死亡した「名張毒ぶどう酒事件」で、
最高裁は10回目の再審請求も認めない決定を出しました。この事件は1961年、三重県名張市でぶどう酒を飲んだ女性5人が死亡したもので、
奥西勝元死刑囚が9年前に病死し、妹の岡美代子さん94歳が再審を求めています。弁護団はぶどう酒の瓶の口に封をしていた「封かん紙」から製造段階とは違う「のり」の成分が検出されたとする鑑定書などを新証拠として提出。
何者かが毒を入れ、貼り直したなどと主張していました。今回の再審請求はおととし、名古屋高裁で棄却され、弁護団が特別抗告していました。
29日、最高裁判所の長嶺安政裁判長は「新証拠を併せても有罪認定に合理的な疑いを生ずる余地はない」として裁判官5人のうち4人の多数意見で再審開始を認めませんでした。
一方、学者出身の宇賀克也裁判官は「新証拠には高い信用性が認められ、犯人性に疑いが生じる」として再審を開始すべきとの反対意見を述べました。
この事件で、最高裁判所の裁判官が再審を開始すべきとする反対意見をつけたのは今回が初めてです。

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https://newsdig.tbs.co.jp/articles/cbc/971413